一般財団法人 青森県薬剤師会 「食と水の検査センター」
CEC室長 加福 雅行さん
「水」と「食」の検査を通して、消費者の暮らしの安全と安心を守る
青森中核工業団地(青森市野木)内にあるセンターは、飲料水等の環境衛生検査を皮切りに食品・公衆衛生分野でも中立・公正な県内唯一の試験検査機関として日々、研さんに努めている。前身は1979(昭和54)年の「県医薬品衛生検査センター」。国家承認の飲料水・食品などの登録検査機関、国際的品質保証規格ISO/IEC17025など多くのライセンスを取得、業務・業態を広げてきた。「2004年には県南地域や岩手県への展開を考え、八戸支所を開設。09年に同団地内に新棟を移転完成させ、最新鋭の機器を導入整備。18年7月には法人を一般財団法人に、名称を『食と水の検査センター』に変え、現在に至っています」(鳴海英明検査技術管理部長)。
食の「安全・安心」を保つにはリスク管理が重要。食のグローバル展開を支える検査については、「本県を代表するホタテ貝は海中のプランクトンを主食としますが、これらの一部が毒性を持つため検査を行っています。農産物にどのような農薬がどの程度含まれているのかを調べる残留農薬検査のほか、りんごジュース等の加工食品を日本から海外へ輸出する場合、相手国に合わせた検査の強化にも取り組んでいます」(納谷隆行食品理化学検査グループ主任)。
世界基準の検査で水の安心と安全も支えている。水質検査は簡易水道、公共水道、食品製造用水など多岐に渡る。「水は最も重要なライフライン。人間の生活に伴って生じる生活排水の水質検査を通して環境保全にも貢献。温泉に行くと、脱衣場などにかけられている成分分析表をご覧になった人も多いでしょう。当センターでは温泉分析機関の指定も受けています」(松下健太郎環境衛生検査グループ主任)。
食中毒を引き起こす微生物の有無についての検査も大切なミッション。「これから暑い季節を迎えます。しっかり取り組みます。また、消費期限、賞味期限など食品表示に関して、消費者目線に立った厳格な表示を目指しています」(福田起子検査技術管理部次長)。
加福室長は「環境問題への関心は日々高まってきています。水と食の安全基準を満たすことは環境保全にもつながります。時々刻々変化する多様なハザードに迅速対応する技術者集団としての歩みを今後も進めていきます」。室長はじめ職員の口ぶりから検査を通して消費者の暮らしを守る―という強い矜持が見て取れた。
問い合わせ先
- 住所:
- 青森市野木山口164-43
- TEL:
- 017―762―3620
- URL:
- https://syokusui.jp/